”似て非なるもの”と”似たようなもの”は月とスッポン

2011.06.06

もしアナタが白いシャツが大好きだとしたら、もちろん、持っているのは1着だけじゃありませんよね。自分の身体や雰囲気に合う同じメーカーのものだったりもしますよね。いいんですよ、いいんです。自分の好きな色、好きなデザイン、好きなテイスト。好きなものを把握するのは正しいことです。で、ここでひとつ聞きたいのは、それは“似て非なるもの”か“似たようなもの”か、ということ。たとえば、まったく同じシルエットの白いシャツでも、それがコットンのオックスフォード地であったなら、それは涼やかでさっぱりした印象です。それがシルクのサテン地であったなら、それはエレガントで華やかな印象です。だとしたら、その2着の白いシャツは、着こなしも着ていく場所もまったく違います。これは、“似て非なるもの”です。黒いコットンのパンツと黒いウールのパンツというのも同じこと。あるいは同じベージュのレザージャケットでも、ひとつはフェミニンな甘いデザインで、もうひとつはクールなブルゾンタイプだったとしたら、それも“似て非なるもの”です。それぞれ、白いシャツが好き、黒いパンツが好き、ベージュのジャケットをよく着る、という自覚があるのなら、そんなふうに“似て非なるもの”は、アナタの着こなしの幅を広げてくれるはず。しかも、違うシチュエーションにフィットするような2タイプを持っていたら、それは良識ある賢いワードローブのそろえ方だと思います。逆に、“似たようなもの”ばかりを買ってしまうという人。こちらが、コーディネート刑事としては、大問題なのです。夏の洗濯事情を考えた白キャミソール3枚持ちなら、いざ知らず、同じようなベージュのふんわりスカートがずら〜り、同じような黒いコットンのクロップドパンツがずら〜り、では、見た目の印象を変化させることができません。もし、クローゼットの整理がなっていなくて、去年も買ったのにまた似たものを買ってしまったというのなら、もちろん、喝ッです。同じものを買うには、刑事の私を納得させるぐらいの、それなりの理由がなくちゃ!色鉛筆にたとえるなら、“似て非なるもの”は、同じ赤でも暗かったり明るかったり、黄みをおびていたり青みをおびていたりという絶妙のバリエーションのようなこと。“似たようなもの”はまさしく同じ色ばかりのラインナップ。どちらが、深みのある素敵な絵が描けるのか、もう、おわかりですね?